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 読書のすすめ

 仏教というと、称名念仏や読経、墓前や仏壇にお供えをすることなどを思い浮かべる人々が大多数だろう。しかし私は、その意味もわからずにこれらの行をまねすることには懐疑的である。空念仏というのはおそらく意味がないし、意味もわからずに経を読み上げるのも無駄な行為かもしれない。単に無意味であるだけならまだしも、それらの行を汚してしまうことすらある。たとえば金儲けのために諸仏諸菩薩を念ずるのは、おそらくその人の心を仏教の本来の方向から逸らしてしまう行為である。それでもその行為自体に功徳があるのだ、という僧侶たちもいるだろう。しかし、それはやがて意味を知るであろうという予測のもとでの方便であって、なればこそ信者は一刻も早くその意味を知る必要があるし、僧侶は信者に知らしめる義務がある。
 行法よりも先に考え方(思想)を知るべきである。それは、行法が先に定着してしまうと、思考過程が拘束されてしまうからである。行法に沿った思想だけが定着し、そのほかの部分は捨て去られてしまう。これでは仏教がその本来の働きをしなくなり、仏教を学ぶ者はすべて形骸化した僧侶のコピーとなるだけである。思想が先に入ってくると行法に不自由さを感じるようになることもあるが、逆に、行法のよさがよく見えてくる場合もある。たとえば、わけもわからず般若心経を唱えていても、たんに読み方が上手になるだけだが、意味をよく理解できていくと、読誦しているそのときに仏教の深みを感じとることができる。学習によって、型に呑み込まれずに型がもつ深みをということが可能になるのである。

 この「おすすめ仏教書コーナー」は、特定教団の学習にふさわしく配列してあるのではなく、むしろ仏教思想の全体像が把握できるように歴史的・学問的な分類で項目を分けている。したがって、一宗一派に偏りたくないならば、全項目から適当と思われる本を満遍なく読んでみるべきであろうし、あえて一宗一派に偏りたいのならば、その宗派に関する項目の本を徹底して読んでみればよい。私としては、新興宗教を除くどの宗派に関しても項目をつくることで、このリストに超宗派的な色彩を出したつもりである。これによって仏教文化を一般的な観点から捉えることができるようになるのではないかと思っている。
 また、このコーナーでは読者の便宜をはかって、初心者向きから上級者向きまでランクづけをしている。どんな仏教書を読めばよいのか、右も左もわからない人もいるだろうし、ある程度は全体像が理解できたものの具体的には何を読めばよいかわからない人もいるだろう。初心者がいきなり経典の解説を読んでもチンプンカンプンだろうし、すこし分かった気になっている人が大いに誤解して読んでしまうこともある。読者の力量に応じて一冊の本が、熱中してしまうほど面白いものである場合もあれば、知っていることばかりで飽き飽きするほどつまらない場合も、読むのに多大な努力を必要とする場合も、さっぱり歯が立たない場合もある。重要なのは自分のレベルを知ることであり、だいたい自分がどのランクにいるかを知れば、自分に適切な本の選択も楽になるだろう。もちろん自分のランクよりも低い本を読んでも何かを得られる場合もあるし、自分のランクよりも高い本に挑戦してみるのも刺激的である。自分の知らない分野に関しては、ランクをさげて読んでみるというのも気楽な入門のしかただろう。

 私がイメージしているランクづけは以下のようである。
 〔初心〕 初心者は、仏教に興味をもったばかりでまだ右も左もわからないような人々である。むしろ気楽に仏教世界に触れてもらうのを目的として、イラストや漫画などのエンターテイメント性のあるものもリストアップしている。
 〔初級〕 初級者は、仏教の全体像がだいたい見えかけてきた人々である。その輪郭をさらにはっきりさせるために仏教の基本思想などに触れて基礎固めをするとよい。少々教科書的な解説書でなんの得にもならないような感じがするかもしれないが、ホンモノの宗教にはインスタント御利益は無い。
 〔初・中級〕 初・中級者は、基本思想がどんなものなのか正しく理解する段階である。初級者レベルですでに仏教を誤解してしまうという例も多い。それは、自分が日常的な文脈でしか物事を理解していないのに、その言葉づらで仏教の中身を理解したと勘違いし、仏教に対する偏見を増幅していく人々である。そのような軽薄な仏教評論家・仏教批判者は、自分の固定観念を過信して仏教の特有な世界を日常世界とうまく結びつけられないのである。このレベルには、仏教徒がものを見るように見ながら基本思想が理解できるような本を主にリストアップしている。
 〔中級〕 中級者は、とりあえず基本思想をもとにしてさまざまな経典を味わい、本格的に仏教世界に触れていくレベルである。幸い今日では経典の現代語訳も多くなり、文語と格闘しながら読む苦労は大幅に軽減されてきている。昔から定着している仏教の専門用語を日常的な現代語に訳してしまうことで却って誤解が生じる場合があるかもしれないが、現代語訳してあるのはサンスクリット語やパーリ語からである場合も多く、むしろ漢訳による歪みを修正して読めるという利点もある。
 〔中・上級〕 中・上級者は、現代語訳の意味と伝統的な専門用語から認識される意味とを対比しながら、より正確に経典を理解していくレベルである。あるいは、特定の宗派や特定の学派について少々専門的に学んでいくレベルである。このレベルには、経典の本格的な解説などがリストアップされている。
 〔上級〕 上級者は、研究者レベルの人々である。あるいは、誰かに教えてもらうのではなく自ら深く学んで修行していくレベルの人々である。このレベルになると、一方的に教えてもらっているというよりは、本を読んで直観的に何かを触発されるという感じになっているだろう。だから、どの本を読んでも仏法の深みが直観されるだろうが、やはりよく思索された書物とじっくり付き合ってみると、一般向けの本では味わえない独特の感触がある。このレベルには、トップクラスの研究者が専門家に向けて書いた文章がリストアップされている。

 「おすすめ仏教書」というタイトルからも分かるように、これは網羅的な文献リストではない。あまり特定の教団の色がついていない本が選ばれているし、また私の好みも取捨選択に影響しているので、有名なあの人の本が全くリストアップされていないという場合もあろう。ほかの人が推薦書リストを作ればもっとほかの本がリストアップされるだろうから、ここにリストアップされていない本が必ずしも偏った本であったり悪い本であったりするとは言えない。

 ここのリストはamazon書店の各書籍のページに直接リンクしてあるので、そこでその本の目次を見たり書評を見たりすることもできる。また、私のリストに飽き足らない人は、各ページにamazon書店のサーチボックスを付けておいたので、思いついたキーワードで本を探してみるとよい。そして、もしそこで興味をもったら、ぜひそれを読んで仏教的世界に深く入っていってほしい。図書館で借りて読むのでいいとは思うが、もし購入するのなら当サイトのリンクを通して購入していただけると嬉しい。


 早くリストの全体像を見たいという人もいるかもしれないが、いっぺんにたくさんの本は紹介できないので、もう少し時間をいただきたい。また、リストアップした本には何らかのコメントを入れて内容を充実させたいのだが、まずはリストを完成させるのを第一にしたい。


〔2006年 6月 8日 更新〕










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